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2013.06.08 Saturday

ELEGANCE ~温故知新とサマージャケットスタイル~


六月です。
初夏です。
札幌では恒例のお祭りシーズンが到来。
北海道神宮祭
SAPPORO CITY JAZZ
そして
PMF音楽祭。

北緯43度の青空、
一年でもっとも前向きな季節となりました。

戸外で過ごす幸せ、
何にも換え難いですね。
この度はノーザンテイラーより、
ひと足早くバカンス気分をお届けできると幸いです。




【ELEGANCE】

THE SEEBERGER BROTHERS AND
THE BIRTH OF FASHION PHOTOGRAPHY
Copyright @2006 by Seuil
Bibliothèque nationale de France

フランス国立図書館?
横文字がつづくと何やら大上段になりますが、
ご心配なく。
ただの写真集です。笑
報道写真の類いではありません。
内容はずばり、
元祖、行楽日和(びより)のスナップ写真。


休日の行楽はTシャツにジーンズも良いですが、
大人ならではのよそ行き、
ときに優雅な気分も愉しみましょう。




Chantilly, Prix de Diane,
June 4, 1933.
シャンティイとは、
パリの北約40キロの森にある保養地。
古城や競馬のレース開催で名高いそうです。
注釈のディアヌ賞とは、
優駿牝馬決定戦、いわゆるオークスの位置づけ。
メスのお馬さんだけでなく、
美しいお嫁さんがいらっしゃいました。




撮影者はこの兄弟
SEEBERGER BROTHERS
副題にもありますように、彼らが行く先々で収めた
紳士淑女の行楽スナップ写真。
1909年から1939年の間
時代が刻々と変わろうとするなか、
モードの先端がきらめきました。
そして
はかなくも美しい世俗の社交風景がうかがえます。

上の写真、
アンリとルイのシーベルガー兄弟
Bois de Boulogne, 1927.
パリ市内、ブローニュの森にて。
パリ市民の憩いの場、
広大な庭園にはロンシャン競馬場や、
テニスの全仏オープン会場としても知られる
ローラン・ギャロスがあるとか。




シーベルガー兄弟とは、
市内のモンマルトルで写真印刷業を営む一方、
後に自らが外に出て活躍。
海へ山へ、バカンスのあるところを訪ねます。
きっと、
お得意様に誘われたのがきっかけだったのでしょう。
社交場って、
なかなかおもしろい生態だなあ!!
という具合に。笑

こちらは、
Saint-Moritz, 1935.
冬季オリンピックの開催地、スイスのサン・モリッツ。
湖があり、温泉があり、登山電車まで。
最高じゃないですか。
そしてやはり、競馬場があるそうな。
あんたも好きね〜




Chantilly, Prix du Jockey-Club,
June 14, 1931.
ジョッキークラブ賞とは、フランス初のクラシックレース。
開催日は毎年、六月の第一日曜日。
風にそよぐ、
どこか只ならぬ姿勢。
これは当時のモードで、
旧態のコルセットにより締め付けられたことへの反動。
デカダンを気取って
パーティではチャールストンのダンスを踊りそう。




David Mdivani and his sisiter,
Cannes, April 1938.
この写真集には、各界の名士や時のひとが登場しますが、
ムディヴァニ家とはなんぞや?
調べてみますと・・・
東欧カフカス(コーカサス)地方の出身で、
将軍の末裔とのこと。
政変により西欧へ渡ってきたのでしょう。
南仏カンヌの邸宅にて、
芸術家然としたモードの妹と、
クラシックな趣向の兄。




Biarritz, September 1929.
ビアリッツとは、
フランス南西端、ピレネーの麓。
ビスケー湾に面した風光明媚な港町。
現在のスペイン国境に接し、
文化圏でいうとバスクに属するようです。
ラテン語族とは異なる土地柄、
そうした異国情緒もあって、惹かれるのでしょう。




The House of Chanel
and L. Rouff, Biarritz,
August 15, 1931.
言わずと知れたメゾン、
ビアリッツにもありましたよ。
ちなみに
注釈の【Rouff 】とは、
当時シャネルと並んでモードを賑わせていたデザイナー、
Maggy Rouff(マギー・ルフ)のメゾンだと思われます。
リゾート地のスポーツスタイル
ライバル同士が軒を連ね、一体どのような個性を発揮していたのでしょうか。




at the Grand Steeple-Chase
d'Auteuil, june 19, 1927.
オートゥイユ競馬場とは、
パリ近郊にある障害物専用の競技場。
この脱力感、
どうですか〜
生き菩薩(ぼさつ)さながら。

注釈によると、
若き女性は、オペラ座のバレリーナ。
シャネルもデザイナー冥利に尽きますね。




wearing Hermes,
Deauville, 1939
ドーヴィルとは、
フランス北西部、ノルマンディー海岸の保養地。
ふーん、
スカシテるね。
しかし
この地が、映画【男と女 1966】の舞台だと知った途端、
がぜん調子づいてきます。
ダバダバダ〜♪ ダバダバダ〜♪
もう、
カーレーサー気取っちゃいますか。
助手席にはアヌーク・エーメ、
夢見ましょう。




sitting in front of the changing rooms,
Deauville, summer 1934.
お嬢さま、とびきりの笑顔。
ビーチの更衣室まえが、
奇しくも絶好の撮影台になりました。
パンツスーツにペタンコ靴が粋だねえ!!




Young Photographer
on the beach,
Cannes, Easter, 1936.
イースターとは、キリストの復活祭。
春分過ぎ、満月の後の日曜日に祝う行事とか。
私はクリスチャンではないのでピンときませんが、
大切な家族や友人にプレゼントを贈る、
クリスマスに並ぶお祝い事だそうです。
コートダジュールの渚にて、
彼はどのようなイースターを過ごしたのでしょう。




お待たせ致しました。
この度の本題に捧ぐ、
カスタマーのU氏のサマージャケット。
初めてご来店くださったのが、
偶然にも、ちょうどイースターの頃だった気がします。
あれから北海道もすっかり暖かくなりました。
くだけ過ぎず、品の良いサマージャケットを〜
というご要望に沿い、
U氏とノーザンテイラーが時間とアイデアを交歓。
仕立て上がりました。




生地はウール100%のホップサック
凹凸の表情は、無地でこそ映えるさりげなさ。
ブルー系といってもさまざま。
この度お選び頂いた生地は
紺、青、水色、
3つの色糸が交差して、
独特の明るい表情が生まれます。




前後にステッチを施しました。
注意して見ると解かる〜
そのくらいがいいよね。
という具合にシルエットやフィットだけでなく、
細部にわたる意識も
双方でしっかりと確認。




スタイルのご参考までに、
チノパンを合わせてみました。
まずはお手持ちのトラウザースからどうぞ。
サマーウールでしたら、
淡いグレーのトラウザースもバッチリ。




靴はスリッポンで行きましょう。
バカンス気分にひも靴は窮屈。
私的な好みをいいますと、
【フルサドル・ローファー】
はい。
フェチなんです。
ボブカットの美人がカチューシャ・リボンをした感じ!?
そういう感じです。




失礼致しました。
では、サマージャケットをイメージして、
札幌発
身近なバカンス気分の旅にお連れしましょう。
アクセル全開、
はたまたギャロップ全速力!?
しっかりつかまっていてください。




ここ何処?
札幌競馬場!
お馬さんはどこだ〜
あれれ、おかしいなあ・・・
じつは
メインスタンド建て替えのため、
今年度のレース開催はありません。
残念ッ




記念の銅像をパチリ☆
この迫力、伝わるでしょうか?
題して【駿馬勇進】
自分を馬に喩えるなら、やっぱりどさんこ。
この地に生まれた感謝を再認識。
サラブレッドにはなれませんが、
ぽっくりぽっくり〜
前進あるのみ




せっかくの機会、
お馬さん、サラブレッドの雄姿をみたいですよね。
というわけで・・・
札幌から二時間の旅
やって来ました。
日高門別!!




馬産地、
もんべつ競馬場です。
初めて来ました。
ところどころに手づくりの雰囲気があり、
のどかです。




パドックの様子
出走前のデリケートなコンディションゆえ、
フラッシュは厳禁。
遠くからガラス越しに撮影しました。
1番は赤い跳ね馬。
まさかテスタロッサ!?
なんちゃって




午後七時
いよいよ
雨の第九レースが始まります。
外に出て観戦しますよ〜




スタート!!
この瞬間、
今にも羽根が生えて跳んでいきそう。
みんな無事に走りきってくんろ。




レースは接戦、
予想は散々でした。
ドンマイ!!
的中はむずかしい。
では仕事の戦略眼は?
ご心配なく。
ズバッと差します。




さて、
各パーツの相性はこんな具合。
青のジャケット地に
裏地はサンドベージュ。
ペールトーンのシャツが涼しげに映えます。




袖付けにはちょっとした工夫が。
あれこれ言うのも野暮なので、
らしさ、を感じて頂けたら。




納品時、
これをお召しになった
U氏の笑顔が輝いていました。
当店にとって、
なによりの励みになります。




おまけに、
スリッポンつながりでドライビングシューズを。
素足には、
虫よけスプレーもお忘れなく☆





北国の爽やかな夏、
大人のサマージャケットをお愉しみください。



札幌元町 ノーザンテイラー

http://northern-tailor.jp/

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