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2015.10.17 Saturday

重さと軽さ、ボヘミアン.ツイードジャケット.四重奏






行楽シーズンたけなわ、
一年でもっとも過ごしやすい季節でしょうか。
のはずが今年は悪天候にたたられ、
恒例にしている紅葉ハイキングの機会をことごとく逸し。

また雨かよ...
とぼやいていたところ、素敵な音楽の旅へ連れ出してもらいました。






中島公園内にある北海道立文学館にて
閉館後のロビーが、ささやかなコンサートホールに早変わり。
手づくりはイベント開催だけでなく、
楽器にも着目。
チェンバロ、間近ではじめてみました。
その場で組まれたものです。





音と空気に酔いしれる。
そのうえ、教わることが多々あります。
ひと口にクラシック音楽と言っても、なるほど楽器自体で現代と古典式のちがいを、
成り立ちから実際の音色まで実演。

〜天然の弦はデリケートゆえ、湿度は大敵です〜
その直後、まさか一瞬ハプニングが起きたり。
バチン!!と聴衆は背筋が反るほどのショック、
しかし奏者さんは平然と残りの弦でリカバリー。
さすがプロフェッショナルですね。
雨上がりの晩、ドラマチックなひと時となりました。
ヴァイオリン、チェロ、そしてチェンバロ奏者の方々、
ならびに、お誘い頂きましたA氏、誠にありがとうございました。







さて、ノーザンテイラーからも旬の便りをお届け。
秋の装いに、
映画と書物が織りなす旅へとご案内できれば幸いです。

お酒を味わう時、異国への憧憬(しょうけい)があるように、
スコットランドはシェトランドやハリス、
アイルランドはドニゴールと・・・
ツイード生地にも毛織物産地の空気を纏(まと)いたいもの。
そのうえで何を醸し出せるかは着る側のシーン、
情景次第。






旅が自発的であれば、身軽さが信条。
はたまた意図せず過ぎゆくものなら、身構えるべき重さが肝要。

重さと軽さ
二つの極を行ったり来たりするわれわれの
しかし一度きりの生、
始まりや終わりはどちら側にあるものなのか。
そんなシーンをゆっくりとめぐらせる物語。






舞台は中欧です。
チェコが民主化に傾きかけた1968年
いわゆる「プラハの春」を境にして、
旧ソ連邦の軍事介入に翻弄される市井の民。

全体か個人か、
本来別々の者同士が寄りあうには、
何を持ち寄ればいいのでしょう。

くれぐれもウォッカはご遠慮ください。
皆さんブランデーがお好きなようで。
そこから先は被服とハートが保温します。






【PaleBrown Hrringbone Tweed Sport Jacket】






【DUGDALE BROS & Co】
The White Rose Caldonaire


英国生地ダグデールブラザーズより、
同社の伝統を象徴するコレクションのひとつ、カルドネア。
ヨークシャー地方の水源である川、
Calder」「Don」「Aire」それぞれ3つの文字を組み合わせ、
命名されたツイード生地だそうです。


水辺は営みの寄りべ
今作の舞台、中欧チェコにも川が流れます。
ブルタバ川とエルベ川、
そこは音楽の歴史が横たわる源
ドヴォルザークにスメタナ・・・そしてもうひとり
この映画をきっかけに教わりました。
詳しくは後ほど





始まりは秋、
男は仕事で出張中。






クルマを飛ばして来ました。
それにしても良い色ですね。
調べてみますとシュコダ製。
リアエンジンだそうで、乗ってみたい〜















Einmal ist Keinmal
(一度は数のうちに入らない)
ドイツ語のことわざだそうです。

その場合、一度きりの生とは誰であろうと評価に値せず??
どう取りますか。
「ニヒルを気取る」というのは決してポーズではないようです。






原作は小説
ミラン.クンデラ著【存在の耐えられない軽さ】1984
千野栄一訳

映画化に当たっては原作をなぞらえるものではなく、
オリジナルの再創作。
作者という幹から離れて木の葉の彩りが舞い落ちるように、
美しい映像空間が開けました。






主人公、トマーシュ
額に汗して仕事中。





それでいてクール
ひいひい言わせるのはあくまで仕事上。
いやプライベートも・・・
性分みたいです。

先生、やさしくして。
ひと仕事済ませると、
旅先を散策に出ました。





【Black oxford Button-collar Shirt】
and
【Ringhart Fabrics London】











村の秋祭り
都会暮らしのトマーシュには新鮮な様子。
朝から聞こえる〜〜笛太鼓♪♪





ご隠居方、チェスに興じています。






そこへ人魚、いや白魚のごとく
療養施設に場違いなピチピチ
とした瑞々しさ





キラ☆






来て良かったなあ






ホテルのスタッフさんのようです。
はい
コニャックお持ちしました。





部屋付けのチャージでよろしく。






Oh, That's Funny.
You're in room 6.
-So?
And my shift finishes at 6.

ヒロイン、テレーザを演ずるジュリエット.ビノシュの世界デビュー作
フランス人女優がたどたどしく英語を話します。

いち客の男に、乙女はなぜ一歩踏み込んだのでしょうか。
トマーシュは答えました。
-And at 6, I have to be back in prague.
Well...
Around 6.

その時、トランジスターラジオからは
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲が流れていました。












また出張で来るかもしれないよ。
じゃあ











どうして
なにもおきないところよ。













〜今彼は窓辺に立って、あの瞬間を呼びおこしていた。
あんなふうにやってきて彼に認めるようせまるものに、
ながいことそのままでいた〜

原作に度々出てくるシーン
ニヒルを気取ってきた男の胸中に、インクが滲(にじ)みます。












プラハには親友が存在。
画家のサビナ
私たち似た者同士でしょう。
合わせ鏡のようなものよ。






【Velvet Odd-Vest】





【DUGDALE BROS & Co】
A Kaleidoscope of Luxurious
Washable Cotton Velvets









書斎でリンゴをかじるアダム、
じゃなくてトマーシュ






来ちゃった・・・
イヴが導かれました。
テレーザ、まるで山から下りてきたハイジのようですね。
ほっぺが赤い。






持つべきものは親友。
トマーシュとサビナ、
しかし合わせ鏡の関係とは
原作者いわく、性愛的友情。
ちょっと交わりすぎですよ!!






男ってバカよね。
ええ、懲りずに轍(てつ)を踏みます。





テレーザ
過去を捨て都会へ出てきました。
サビナが背中を押してくれます。
とりあえず、カメラで撮ってきたら。















【Cavalry Twill Trousers】
【DUGDALE BROS & Co】
【Bulmer & Lumb】







つき動かされるままシャッターを切ります。
目はこころの鏡






【Linings】

【DUGDALE BROS & Co】
The fibre dyed cupro twills,
The large range of paisery and polka dot viscose








体制からの脱却
しかし自由化への機運に酔いしれたのは、つかの間。
静々と、粛清の地響きが音をたてはじめました。











迫りくる脅威、
正面きっては測れません。
影が頼り。










出る杭は打たれます。
公然とお上に楯突いたものには、なあなあで済まされません。
復職と引き換えに、変節漢のレッテルを貼られるか。
それとも潔く去るか。










作者は言います。
〜誰もが、誰かに見られていることを求める。
どのようなタイプの視線の下で生きていたいかによって、
われわれは四つのカテゴリーに分けられるであろう〜






言い換えれば、
どのタイプの視線をないがしろにできないかが、
重さと軽さを左右するものなのでしょうか。
それにより
トマーシュとテレーザは亡命を放棄しました。






サビナは二度と故国には戻りません。






流転の生、
トマーシュとテレーザにとって
安らかな岸辺はいずこ。







原作では、悩めるそれぞれの心中を
作者はベートヴェンの弦楽四重奏曲に喩え繰り返しています。
Muss es sein?     Es muss sein!
かくあるべきか   かくあるべし

カッコいいですけれど、
よくわかんねえっす。
私にはケセラセラの方がお似合いで笑






なお、映画版ならではの特色は、
ゆたかな音楽性。
チェコと言えば、
ボヘミアンを代表するドヴォルザークやスメタナが有名ですが、
今作では、また別の系統にあたる作曲家
ヤナーチェクを教わりました。

小説の原作者ミラン.クンデラと同郷、
モラビア地方の出身だそうです。
作曲家の死後60年が過ぎ、
まさか故国をモチーフとした互いの作品が映画で結ばれる縁、
なんとも素敵な共演ですね。





被服にひとに、
距離を置くと互いの色が引きたちます。
それでいて近づくと無心でいられるような、
補色のパートナー

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お任せください!!













札幌元町 ノーザンテイラー
http://northern-tailor.jp/
 
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