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2018.04.12 Thursday

2018-新作展望- Dedicated to ウォン.カーウァイ

 

 

 

出藍(しゅつらん)之誉

 

〜学は以って已むべからず

青は之(これ)を藍(あい)より取りて、藍より青く

氷は水之(これ)を為して、水より寒し〜

 

昔、荀子という儒家は、自然の在るがまま天性に対し、

人智による営為が成長だと説きました。

当時、何才位の子たちが耳を傾けていたのでしょうか。

ぼけーっと過ごしてきた自らの青年期では、とても考え及びません。

ヒトはなんとかの葦(アシ)と言いますが、

見えないテーゼを色であらわすセンスに感心します。

 

 

 

 

「成り難し」くも条理。

何を積み、何を欠く、

その差異が個性。

ひとの齢にあらわれると思います。

日々の営み、眼前の空気に帯びる色を喩えるなら、

皆様の視界はいかに。

おまえはどうよ??って

五里霧中

青息吐息

しっくりときます...

ドンマイドンマイ!!

 

雪も解けました。

旅へ出ましょう。

 

王家衛(ウォン.カーウァイ)監督作

「My Blueberry Nights 」2007

「花様年華」2000

 

出会いには縁があるとすれば、機運も然り。

2018、ノーザンテイラーとしての成長に薫陶を受けました。

生地の有り様、仕立ての為し様、

そして男女の存り様に投影します。

この度はウォン.カーウァイ氏を讃えて、

テーマは縁をつかさどる

月下氷人。

 

 

 

ある日、

ノラ.ジョーンズが旅へ出ました。

歌わなくても魅せます。

Don't know why I didn't come

 

 

 

デイビッド.ストラザーン

忍ぶ男です。

Good Night... and Good Luck

 

 

 

レイチェル.ワイズ

聡明なひとです。

しかしこの度は美貌を持て余す

新境地

 

 

 

かたや1960年代の香港から政変のカンボジアへ。

こなた現代のニューヨークからネバダの荒野へ。

つながるの??

ウォン.カーウァイの世界には通奏低音があります。

East meets West

いつの世もどこであれ、

男と女に魅了。

 

 

 

トニー.レオン

忍ぶ男です。

マフィアに潜入するまえの頃です。

 

 

 

マギー.チャン

柳腰の麗人です。

アジアンビューティーの金字塔

 

 

 

 

 

 

 

 

 

働く女性のワードローブがお国柄。

マギー.チャンが纏(まと)うワンピース姿に、

息を呑みます。

曲線とスタンドカラー(立ち襟)による、凛(りん)。

 

 

 

ベルトで結わえるコートをあしらうと、

被服は薫風をはらみます。

 the Orient -meets- the Occident

How fascinating you are!!

 

 

 

注文洋服屋ノーザンテイラーとして、

男心に火がつきました。

ぼくもワンピース着る??

いやいやそっちのスイッチではなく。

(*^^*)

時代や文化、そして性差をクロスオーバーしての、温故知新。

表現性を喚起されました。

 

日々、季節に即した品を一点一点分けてくださる生地商様、

様々な注文を1着1着応じてくださる縫製元様、

その支えがあり、ノーザンテイラーはお客様をお迎えできます。

迎えるからには年月と共に、

成長が問われます。

この度両者のお力添えにより、新たな展開へ着手。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sunrise

Sunrise

Looks like morning in your eyes

When I see we made it through another day 

海を越え、日向とのご縁が届きました。

誠にありがとうございます。

 

 

Surprise

Surprise

Couldn't find it in your eyes

But I'm sure its written all over my face

 

 

 

Then We say 

Oooo, oooo, oooo

=(^.^)=

 

Blueberry Corduroy

Stand Collar Double Breasted Coat

完成の記念

友人のパティシエールさんにパイをこしらえて頂きました。

一点一点、あらゆる相談に向き合ってくださいます。

美味しさもひとしお、

出会いに感謝。

Nachiさん、Trattoria Nobu様

誠にありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

都会の片隅を旅立ち

陽の射すところへ、

アンコールワットの遺跡です。

行ってみたいですね。

地理的にインド=シナと言われるように、

混然独自の発展に興味を惹かれます。

 

 

 

 

 

では北国札幌の新たなランドマーク、

ガラスの殿堂へ参りましょう。

http://moerenumapark.jp/pyramid/

 

 

 

色即是空

空即是色

 

 

 

Bateman Ogden

8 Wale Corduroy 

 

 

 

ベルトは予備分もお作りします。

生地やデザインに応じて、尾錠を付けることも可能。

この度はコーデュロイの風合いを活かし、

プレーンな仕様にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Dugdale Bros & Co

Classic Linings

Viscose Satin

 

 

 

 

 

掛けボタン、

この度はスナップ留めに。

通常のボタン打ち抜きも可能です。

 

 

 

 

 

〜後半はジャケットスタイルへ〜

 

 

Schofield & Smith

Hound's tooth Pure Wool

 

 

Brushed Cotton Button collar Shirt

Ringhart Fabrics London  

 

 

 

Bateman Ogden

Eleganza Pure Wool

 

 

ジャケットスタイルのトラウザーズ(替えズボン)として、

質実お薦めの品。

一見、変哲のない無地に見えますが、

よく見ると織りの込んだ層が特徴。

履いて揺らぐ趣きは、まろやか。

コットンの折り目正しさとまた異なる、含みがあります。

冬物とサマーウールの端境期(はざかいき)に重宝。

コンサバから鮮やかな色味まで、40色の構成。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Odd Vest

Canonico Mohair Quatro

 

 

 

 

 

Dugdale Bros & Co

Classic Linings

Vicose Satin

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Flower Hole

Extra Handstiched Finish

 

 

 

 

 

 

シングル、ダブルブレスト、

細部デザインから芯地の扱いまで、

入念なご相談により

お召しになる方が引き立つ1着へ、アプローチ。

コートをはじめスーツ全般にも、

できる限りとは何か??

被服に封じ、展開していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

札幌元町 ノーザンテイラー

http://northern-tailor.jp/

 

2017.04.14 Friday

2017-英国生地ベイトマン.オグデンと春のソナタ

 

四月になりました。

ホコリや花粉が悩ましい時季ですが、

春の開放感は格別。

芽が吹き、風に吹かれて雄しべはどこへ行く。

そこで、

ノーザンテイラーとしても感度のアンテナをくすぐられました。

デリケートなんですね。

いえいえぺんぺん草です。

 

 

 

BATEMAN OGDEN

英国生地「ベイトマン.オグデン」

お取引先様から一昨年にお薦め頂き、

少しずつ買い揃えております。

ご来店頂くカスタマーの方々にもようやく

スーツ、ブレザー、他ベストやトラウザーズとご好評。

満を持して、当ブログでお披露目できる日が来ました。

 

 

 

シーズン毎に様々な生地を目にしますが、

中には、プロダクツの質としては大差がなくても、

それぞれにブランドの世界観がうかがえます。

一方では目新しい話題性、

他方では層を成す継続性、

Catchy or Gradually

 

この度ノーザンテイラーとしては「ベイトマン.オグデン社」のコレクション、

そのしとやかな美的センスをオマージュするかたちで、

映画作品の詩趣とかさねてみました。

 

 

 

「春のソナタ」

エリック.ロメール監督

〜四季物語より第1作〜

魅惑のブルーです。

 

 

 

Royal Blue Blazer Jacket

BATEMAN OGDEN -PANACHE-

 

ベイトマン.オグデン

春夏向きの品々をセレクト。

まず一着目は「パナシェ」

プレーンな平織りです。

WEIGHT 280G/M

ダークなビジネススーツから淡いカジュアルスーツまで、充実の色展開。

こちらのロイヤルブルーは、ブレザーとしてお仕立て。

 

 

 

Odd Vest 

BATEMAN OGDEN -ROYAL GABARDINE-

 

替えベストには、同じくベイトマン.オグデンより

「ウールギャバジン」

ギャバジン織りとは、綾織の一種です。

よく見ると、精緻で急峻な斜め紋様が特徴。

Super120'sの滑らかな手触りと艶やかさから、

上品な替えズボン等の様々な用途がございます。

 

 

 

 

 

 

練りボタン

made in Italy

 

 

 

Glenplaid Odd Trousers

BATEMAN OGDEN -PANACHE-

 

ブレザーの替えズボンには同コレクションの「パナシェ」より、

ライトグレーのグレンチェック。

 

 

 

 

 

UKメタルボタン

Firmin & Sons London

 

 

魅惑のブルーです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUGDALE BROS & CO

BESPOKE ELEGANCE LININGS

 

 

 

 

 

 

summer wool

続きましてスーツ編

 

 

 

 

 

Odd Vest 

BATEMAN OGDEN -ROYAL GABARDINE-

 

パナシェで紺のスリーピーススーツと、

替えベストにロイヤルギャバジンの取り合わせ。

ウールギャバジン単体のコレクションとして珍しく、

40色以上の構成。

 

 

 

 

 

 

 

DUGDALE BROS & CO

BESPOKE ELEGANCE LININGS

 

 

 

 

 

 

Odd Trousers

BATEMAN OGDEN -ROYAL GABARDINE-

自然光では露に濡れたような面持ちです

 

 

休日はどちらへ??

バリバリゆうばりです。

いえいえフォンテーヌブローです。

 

 

冷えてきましたね...

ウィ

 

 

 

暖房で火照りましたか...

ウィ

 

 

 

手を握っても良いですか...

ウィ

 

 

 

もっとしても良いですか...

ノン

 

 

 

バターな口どけ

魅惑のブルーです。

 

 

 

 

 

 

 

 

色違いでこちらはダブルブレステッドの替えベスト

6ボタンx3掛け

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DUGDALE BROS & CO

BESPOKE ELEGANCE LININGS

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベートーヴェン

ヴァイオリンソナタ第5番「春」

 

劇中、主人公がハミングしていた曲。

音楽による季節の調べがあるように、時に装いからも

四季を奏でてみてください。

清々しい春となりますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

札幌元町 ノーザンテイラー

http://northern-tailor.jp/

 

 

英国生地ベイトマン.オグデンへのオマージュ、

次回は秋冬編を予定しております。

どうぞご期待ください。

T氏、素敵な旅の紅茶をありがとうございました。

( ´ ▽ ` )ノ

 

2016.12.09 Friday

冬の運河とアルスターコート

 

とうとう12月、

急かされる時季になりましたね。

何かと増える外出の機会に、

オーバーコートはどのような存在でしょうか。

 

寒気から身を守る外套であり、

それだけではない親しみ

 たしなみ。

長尺のオーバーコートをまとい大股で歩く時と

そうでない時とでは、

かたちのない叙情性を帯びます。

 

膝下に漂う気配

浮世の常、顔に出せない大人の私情はコート=ベールに覆い、

歩きながら浄化しましょう。

 

冬こそ旅のカタルシス

そうしたモチーフから、

運河とオーバーコートの情景をお伝えできればと思います。

 

 

 

 

冬のヴェネツィア

人(ひと)気の途絶えた、オフシーズンの運河が舞台。

 

 

 

 

夫婦の物語

先を案じてか後を引きずってか

どちらともつかない、

男と女のすれちがいがメインテーマでしょうか。

 

ロマンスかスリラーか

ふたりのオーバーコート姿が印象深く、

この度はノーザンテイラーお仕立て例として

名画をオマージュ。

 

ドレスorカジュアル、

どちらともつかないアルスターコート特集。

 

 

 

 

 

ダブルブレステッド.オーバーコートの類別として、

様式をどう定義づけるかには意見が分かれるところ。

フォーマル志向なチェスターフィールドコート、

制服志向のガーズコートとちがい、

「私的用途」といえるのがアルスターコートの立ち位置かと。

 

 

⬆と⬇の画像を比べてください。

どちらも私的用途のオーバーコート。

オフィシャルなTPOでは選びません。

ノーザンテイラーとしては

をアルスターコートと捉えております。

「特徴は垂れた襟、長丈」

以上

 

その先のディテールは瑣末。

襟を広げるか、

共布でベルトをどう這わすか、

袖口を折り返すか、

ポケットを貼り付けるか、

ドレスorカジュアルはお好み次第。

十人十色のスタイルが是です。

クラシックの型に倣いますが、型に嵌めることはしません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作は小説

ダフネ・デュ・モーリア著

「いま見てはいけない」

短編集からの巻頭作より

 

 

 

 

 

〜軽い湿気は雨に変わっていた。

観光客の姿はいつしか消え、傘をさしたひとがちらほら

急ぎ足で通り過ぎてゆくばかり〜

 

 

 

 

ヴェネツィアへは行けませんが、

とっておきがありますよ。

札幌から小一時間、小樽運河へGo!!

 

 

 

 

静まり返ったヴェネツィアに靴音が残響するシーンと、

音のない雪景色をかさねて。

 

 

 

 

 

 

 

 

Fox Brothers

Over Coating

660/690g

made in England

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運河カフェ

営業中

 

 

 

 

 

 

 

撮影ご協力

色内食堂様ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜水路は狭く、両側の家々がすぐ迫っている。

昼間は水面に陽光がきらめき、窓は開かれ、鳥が歌っていた。

ところが闇に包まれると窓には鎧戸が下りた。

ゆっくりと沈みつつある華やかなうわべ

水路の静けさに覗き込むと、失われた石の世界を目にする〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

W.Bill

Classic Coating Collection

650g

made in England

 

 

 

 

 

物語の夫婦は英国人、

夫役D.サザーランドの気配がまたスリラー。

無視できない妖しさ。

他の出演作やスタイルの出で立ちも含め、

また別の機会で

D.サザーランドのロマンス性に着目してみましょう。

どうぞご期待下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

札幌元町 ノーザンテイラー

http://northern-tailor.jp/

 

2015.10.17 Saturday

重さと軽さ、ボヘミアン.ツイードジャケット.四重奏






行楽シーズンたけなわ、
一年でもっとも過ごしやすい季節でしょうか。
のはずが今年は悪天候にたたられ、
恒例にしている紅葉ハイキングの機会をことごとく逸し。

また雨かよ...
とぼやいていたところ、素敵な音楽の旅へ連れ出してもらいました。






中島公園内にある北海道立文学館にて
閉館後のロビーが、ささやかなコンサートホールに早変わり。
手づくりはイベント開催だけでなく、
楽器にも着目。
チェンバロ、間近ではじめてみました。
その場で組まれたものです。





音と空気に酔いしれる。
そのうえ、教わることが多々あります。
ひと口にクラシック音楽と言っても、なるほど楽器自体で現代と古典式のちがいを、
成り立ちから実際の音色まで実演。

〜天然の弦はデリケートゆえ、湿度は大敵です〜
その直後、まさか一瞬ハプニングが起きたり。
バチン!!と聴衆は背筋が反るほどのショック、
しかし奏者さんは平然と残りの弦でリカバリー。
さすがプロフェッショナルですね。
雨上がりの晩、ドラマチックなひと時となりました。
ヴァイオリン、チェロ、そしてチェンバロ奏者の方々、
ならびに、お誘い頂きましたA氏、誠にありがとうございました。







さて、ノーザンテイラーからも旬の便りをお届け。
秋の装いに、
映画と書物が織りなす旅へとご案内できれば幸いです。

お酒を味わう時、異国への憧憬(しょうけい)があるように、
スコットランドはシェトランドやハリス、
アイルランドはドニゴールと・・・
ツイード生地にも毛織物産地の空気を纏(まと)いたいもの。
そのうえで何を醸し出せるかは着る側のシーン、
情景次第。






旅が自発的であれば、身軽さが信条。
はたまた意図せず過ぎゆくものなら、身構えるべき重さが肝要。

重さと軽さ
二つの極を行ったり来たりするわれわれの
しかし一度きりの生、
始まりや終わりはどちら側にあるものなのか。
そんなシーンをゆっくりとめぐらせる物語。






舞台は中欧です。
チェコが民主化に傾きかけた1968年
いわゆる「プラハの春」を境にして、
旧ソ連邦の軍事介入に翻弄される市井の民。

全体か個人か、
本来別々の者同士が寄りあうには、
何を持ち寄ればいいのでしょう。

くれぐれもウォッカはご遠慮ください。
皆さんブランデーがお好きなようで。
そこから先は被服とハートが保温します。






【PaleBrown Hrringbone Tweed Sport Jacket】






【DUGDALE BROS & Co】
The White Rose Caldonaire


英国生地ダグデールブラザーズより、
同社の伝統を象徴するコレクションのひとつ、カルドネア。
ヨークシャー地方の水源である川、
Calder」「Don」「Aire」それぞれ3つの文字を組み合わせ、
命名されたツイード生地だそうです。


水辺は営みの寄りべ
今作の舞台、中欧チェコにも川が流れます。
ブルタバ川とエルベ川、
そこは音楽の歴史が横たわる源
ドヴォルザークにスメタナ・・・そしてもうひとり
この映画をきっかけに教わりました。
詳しくは後ほど





始まりは秋、
男は仕事で出張中。






クルマを飛ばして来ました。
それにしても良い色ですね。
調べてみますとシュコダ製。
リアエンジンだそうで、乗ってみたい〜















Einmal ist Keinmal
(一度は数のうちに入らない)
ドイツ語のことわざだそうです。

その場合、一度きりの生とは誰であろうと評価に値せず??
どう取りますか。
「ニヒルを気取る」というのは決してポーズではないようです。






原作は小説
ミラン.クンデラ著【存在の耐えられない軽さ】1984
千野栄一訳

映画化に当たっては原作をなぞらえるものではなく、
オリジナルの再創作。
作者という幹から離れて木の葉の彩りが舞い落ちるように、
美しい映像空間が開けました。






主人公、トマーシュ
額に汗して仕事中。





それでいてクール
ひいひい言わせるのはあくまで仕事上。
いやプライベートも・・・
性分みたいです。

先生、やさしくして。
ひと仕事済ませると、
旅先を散策に出ました。





【Black oxford Button-collar Shirt】
and
【Ringhart Fabrics London】











村の秋祭り
都会暮らしのトマーシュには新鮮な様子。
朝から聞こえる〜〜笛太鼓♪♪





ご隠居方、チェスに興じています。






そこへ人魚、いや白魚のごとく
療養施設に場違いなピチピチ
とした瑞々しさ





キラ☆






来て良かったなあ






ホテルのスタッフさんのようです。
はい
コニャックお持ちしました。





部屋付けのチャージでよろしく。






Oh, That's Funny.
You're in room 6.
-So?
And my shift finishes at 6.

ヒロイン、テレーザを演ずるジュリエット.ビノシュの世界デビュー作
フランス人女優がたどたどしく英語を話します。

いち客の男に、乙女はなぜ一歩踏み込んだのでしょうか。
トマーシュは答えました。
-And at 6, I have to be back in prague.
Well...
Around 6.

その時、トランジスターラジオからは
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲が流れていました。












また出張で来るかもしれないよ。
じゃあ











どうして
なにもおきないところよ。













〜今彼は窓辺に立って、あの瞬間を呼びおこしていた。
あんなふうにやってきて彼に認めるようせまるものに、
ながいことそのままでいた〜

原作に度々出てくるシーン
ニヒルを気取ってきた男の胸中に、インクが滲(にじ)みます。












プラハには親友が存在。
画家のサビナ
私たち似た者同士でしょう。
合わせ鏡のようなものよ。






【Velvet Odd-Vest】





【DUGDALE BROS & Co】
A Kaleidoscope of Luxurious
Washable Cotton Velvets









書斎でリンゴをかじるアダム、
じゃなくてトマーシュ






来ちゃった・・・
イヴが導かれました。
テレーザ、まるで山から下りてきたハイジのようですね。
ほっぺが赤い。






持つべきものは親友。
トマーシュとサビナ、
しかし合わせ鏡の関係とは
原作者いわく、性愛的友情。
ちょっと交わりすぎですよ!!






男ってバカよね。
ええ、懲りずに轍(てつ)を踏みます。





テレーザ
過去を捨て都会へ出てきました。
サビナが背中を押してくれます。
とりあえず、カメラで撮ってきたら。















【Cavalry Twill Trousers】
【DUGDALE BROS & Co】
【Bulmer & Lumb】







つき動かされるままシャッターを切ります。
目はこころの鏡






【Linings】

【DUGDALE BROS & Co】
The fibre dyed cupro twills,
The large range of paisery and polka dot viscose








体制からの脱却
しかし自由化への機運に酔いしれたのは、つかの間。
静々と、粛清の地響きが音をたてはじめました。











迫りくる脅威、
正面きっては測れません。
影が頼り。










出る杭は打たれます。
公然とお上に楯突いたものには、なあなあで済まされません。
復職と引き換えに、変節漢のレッテルを貼られるか。
それとも潔く去るか。










作者は言います。
〜誰もが、誰かに見られていることを求める。
どのようなタイプの視線の下で生きていたいかによって、
われわれは四つのカテゴリーに分けられるであろう〜






言い換えれば、
どのタイプの視線をないがしろにできないかが、
重さと軽さを左右するものなのでしょうか。
それにより
トマーシュとテレーザは亡命を放棄しました。






サビナは二度と故国には戻りません。






流転の生、
トマーシュとテレーザにとって
安らかな岸辺はいずこ。







原作では、悩めるそれぞれの心中を
作者はベートヴェンの弦楽四重奏曲に喩え繰り返しています。
Muss es sein?     Es muss sein!
かくあるべきか   かくあるべし

カッコいいですけれど、
よくわかんねえっす。
私にはケセラセラの方がお似合いで笑






なお、映画版ならではの特色は、
ゆたかな音楽性。
チェコと言えば、
ボヘミアンを代表するドヴォルザークやスメタナが有名ですが、
今作では、また別の系統にあたる作曲家
ヤナーチェクを教わりました。

小説の原作者ミラン.クンデラと同郷、
モラビア地方の出身だそうです。
作曲家の死後60年が過ぎ、
まさか故国をモチーフとした互いの作品が映画で結ばれる縁、
なんとも素敵な共演ですね。





被服にひとに、
距離を置くと互いの色が引きたちます。
それでいて近づくと無心でいられるような、
補色のパートナー

お探しですか??
お任せください!!













札幌元町 ノーザンテイラー
http://northern-tailor.jp/
 
2015.06.28 Sunday

2015- 歴史映画に観る男たちのサマースーツと怒れる肖像


夏到来、
はやいもので暦の上では夏至を過ぎました。

遅かれ早かれ、まぶしい季節は心待ちです。
夏のスーツスタイル、
ええ、タイも結いますよ。
暑くないかって??
クールは行動で示します。(キリっ)
って、靴下穴空いてますけど。






今回ひさびさにシネマ編をお送りします。
夏の夜の、怒れる男たち。
〜意志あるところに〜
とは言いますが、
障害も避けられません。
半ばで倒れるものがいれば、
迷い込むものがいて、
けものみち。
歴史事実を題材とした映画から、足跡を知りました。
夏が来ると観返します。





【Z】1969
ギリシャ出身の映画監督が、故国のひずみを告発した作品。
フランス製作による
作家性と娯楽をうまく撚り合わせたドラマです。
史実の暗部に
個性派ぞろいの名演が興味を誘います。







オープニング
ピントがぼけてますね・・・
なんだこりゃ




フォーカス
ん、お宝
ギリシャだけに遺跡のミステリーとか??






ちがうようです。




二枚看板
イブ・モンタンと、トランティニャン。
喩えるならシルバーと、クローム。
マッケンローとレンドルでしょうか。
もちろんソリッド。





タイトル【Z】
どう読むべきか・・・
ゼッド ??
ズィー ??
いえ、まだどちらでもないんです。
詳しくは後ほど!!
ダイジョー V





メダルに徽章
どんだけ修羅場くぐってきたんすか。
時は冷戦さなか1960年代の前半、
地中海の【某国】という設定。
軍服の為政者といえば、
フランコにドゴールがいて・・・
ほかは??




そうか。
ギリシャも到底穏やかには行きませんよね。
地勢上、宗教的にもややこしいです。
そのうえ戦後はイデオロギーとかなんとか、
列強の思惑に翻弄。




建前上は王国でした。
御前会議で示し合せ。
〜左派の連中には勝手なこと許しちゃいかんね。
学生運動、
小賢しいわコミュニストめが〜




閣下、お迎えが来ました。
Mercedes 220 SE Coupe
〜おぅ、わしが運転するだぎゃあ。
あとはよろしく。
ブロロロ〜





一方、野党の参謀はというと
政治集会の準備に奔走です。
しかし当日、会場側からドタキャン。
お上に睨まれちゃね。




めんどうはご免なんだ。
さっさと撤収してくれ。
聞いてないよ〜




集会まで時間がありません
もうすぐリーダーがやって来ます。
なんとかせにゃ。
兄貴に恰好つかないべ。




野党のリーダー、
噂の男が
遊説先から無事にランディング




ザ・カリスマ
親しみと風格があります。
先生、応援してますわ。
ウフ☆




イブ・モンタンの役どころは
政治家であり、
教育者。
背中の厚さが物語ります。




またせたな。
兄貴ィ
おかえりなさい。




歓びもつかの間、
移動中
動向はつねにマークされています。




急きょ、会場を変更。
狭くなってけれどごめんね。




左派、右派、そして中道
まえかうしろか、
広場をひとめぐり。
Renault のセダンだそうです。





ホテルから集会場までは、
広場を通り抜けなければいけません。
衝突しないといいのですが。




ショーウィンドウのお嬢さんも
エール送ってくれました。
モテモテだね
兄貴ィ




ちょっと休憩
LANCOMEのポスターが意味深です。
ピストルに口紅を装填(てん)〜

えぇ、血のりの接吻・・・
いやまさかね!!





Summer Wool
2-piece Suiting
















SCABAL
【Golden Ribbon】
Made in England












シャツ生地も涼しげ。
ボイルでしょうか。





所作、なんとも男っぷりがよく。
受話器片手に書類鞄から
ほれ。




Ringhart Fabrics London
【Superfine White Poplin 140's】




まるでドラえもんのポケットです。
つぎは、パジャマ〜
ほれ。




家族の写真




背中が語ります。




集会場まえでは、
すでに行列。





と、広場にゆっくり
謎のコンバーチブルが乗りつけました。





目配せ
よろしくな。




おうよ。
なにか仕込んでいます。




オラオラ〜




妨害セヨ





連帯、平和??
知るかボケ〜




女性にも容赦なく
鬼畜です




開催まえから非常事態




取材班も先回り。
明日の一面につかえるかえ??
まだまだ〜




会場に収まりきらない数です。





声援、怒号、
広場はひとの渦と化しました。





警察はシレッと
民事不介入だし〜




いざ、ホテルから会場へ行進。
平和主義のモンタン、丸腰。





そこへ


















気丈な男です。
皆さんご静粛に





一瞬、静まりかえりました。




ご清聴ありがとうございました。




しかし、ひと言
閣下、コソコソ観てないで
話し合おうじゃありませんか!!




チッ・・・









報道、つまみだせ








モンタン、帰路につきます。









不意に・・・
兄貴、危ない!!


















生死をさまようモンタン





そこでバトンタッチ
ジャン・ルイ・トランティニャン参上
事件か事故か??
調査委員のひとり。




彼の役所は、予審判事という設定。
聞き慣れませんよね。




カタチだけの調査委員会、
あれは交通事故だぎゃあ。
ですよね、閣下。





ちょっと待った。(キリっ)
まだ調査が足りません。
トランティニャン、食い下がります。
隣、検察長官のメンツ丸つぶれ。
少壮幾時ぞ・・・




モンタンはいまだ集中治療室に。
支持者が集まりました。
【Z】
何のメッセージなのでしょうか。






トランティニャン、調査の手を緩めません。
ちなみに予審判事とは裁判官の一つだそうですが、
調べてみますと
フランスでは捜査機関を指揮する権限があります。
ずさんな報告書の矛盾を見つけては、再調査。
涼しい顔して、念入り。
ペールトーンのサマースーツもクール。
また、ロングポイントカラーのシャツ、
メガネのボリュームとシャツ襟のバランスに
参りました。




CARLO BARBERA
Made in Italy





Saxe Blue Shark Skin






ジャーナリストも真相究明に乗り出します。




奥様、
ご主人の様子、何か変わったことはありませんでしたか。




さりげなく
パシャパシャ
ちゃっかり取り入るのが巧みです。
くつろいだベージュのスーツスタイルも、
相手に緊張感を与えませんし。





EDWIN WOODHOUSE
Summer Comfort









妨害側、後に内ゲバがありました。
末端は使い捨てです。
消され損なった男、
徐々に重い口を開きます。





鬼畜
連行されました。




この棍棒に見覚えは??
知らねえズラよ。




猿芝居はよせ。
もうネタは割れているんだぞ。




コノヤロー
今、サルって言ったな??
【Z】みたいに叩き割ってやるだ!!
あ・・・

はい。
ひとり上がり。





謀略の網を解いていくうち、
トランティニャン自身にも揺さぶりが。




しかし、彼を丸め込むことはできず。






ついに取り調べは官憲にまで及びます。





あっ、





意外とナイーブです。





閣下、
丁重にお迎えします。




部下は次々と口を割りましたよ。
アリバイ、どうされますか??




への字です。




ただじゃおかんぞ!!
閣下、出口は反対側です。







なお、モンタンが演じた政治家【Z】の意味について、
ギリシャ文字ではZ【ゼータ】と読みますね。
アルファ、ベータ、ガンマ、・・・シグマ、オメガ等々の語がありますが、
それぞれに意味があるらしく、
【ゼータ】とは、地上と空のあいだを行き来するもの。
路上に記されたメッセージ、
たとえ天に召されても彼の精神は失われない。
粋な大人たちです。





















果たしてトランティニャン判事は、
法の下で
アンタッチャブルな権謀に裁きを下すことができるのでしょうか。

映画の最後、実際の資料映像とともに↑の記録が読み上げられます。
「軍は次に挙げることを禁じました。
トルストイ、ドストエフスキー、サルトル・・・
社会学、現代音楽、ビートルズ、ミニスカート・・・
ストライキ、報復、そして【Z】」















札幌元町 ノーザンテイラー
http://northern-tailor.jp/

 
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